古着屋JAM TIMES_202404

vol. 015 Text/Kazuki Imanishi Photo/Akane Matsumoto 112 113 2023年春に全国14店舗目となる下北沢店がオ ープンする「古着屋JAM」。業界髄一の商品数 から導き出した情報をもとに、知っておきたい 古着の基礎知識やウンチクをたっぷりと紹介す る。第15回目は価格高騰が著しい、リーバイ スのデニムジャケットについて 古着屋 もとは鉱山で働く人々の為のワークウエアとして生み出されたデニムジャケットは、時代 の変化とともにディテールやデザインを変え続け、今日ではカジュアルファッションを代 表するアイテムとなった。なかでも大まかに通称ファーストからフォースという4種類に 分類されるリーバイス®のデニムジャケットは人気が高く、モデルごとに価格も大きく変 わる。今回はそれぞれのアイテムのディテールと平均販売価格の推移を比較する リーバイスのデニムジャケット 左右対称のデザインが人気を博す、通称セカンドタイプの デニムジャケット。ワークウエアとして使用されていたこ ともあり、状態の良い個体は年々減少中。迫力のあるタテ 落ちで、唯一無二の圧倒的な存在感を誇る 507XX 400,000 2015 2017 2019 2020 2021 2022 100,000 200,000 300,000 50,000 ※価格は古着屋 JAMでの平均販売相場です 1万8000円 2万7000円 8万5000円 7万円 12万5000円 18万円 35万9000円 39万9900円 4万4900円 42万9000円 12万9900円 2万1900円 506XX 507XX 557XX 同年代のモデルでも状態 やサイズによって価格の 差があるためあくまでも 平均的な値ではあるが、 2020年頃から506XX、 507XXの価格高騰が著 しい。557XXは比較的 手の届く価格帯で販売さ れているため、いまの間 に手に入れておきたい 1.左身頃に1ポケットのみが付く、シャツのような簡素なデザイン 2.シンチバックに使わ れている金属部材で年代判別が可能 3.ワークウエアとして動きやすさを追求したアクショ ンプリーツがデザインのアクセントに 4.フラップ裏にはライトオンスデニムが使われる 1 2 3 4 1.両胸にポケットが付く左右対称のデザイン 2.赤タブの裏面にも[LEVIS]の表記が確認 できるのが両面タブ 3.裾の内側部分の縫製は上がチェーン、下がシングル。これは革パッ チが付くモデルの縫製仕様 4.シンチバックが無くなり、サイドアジャスターが採用される 1 2 3 4 1.フラップの裏側は表地と同じ生地になる 2.大きな紙パッチは557である証拠。XXかど うかもここの表記で確認が出来る 3.このモデルから褐色のボタンに変更。ジーンズの505 や517と同じボタンが採用される 4.裾部分のV字の切れ込みはフォースと比べて幅が狭い 1 2 3 4 1.紙パッチは横長の小さいものに変更となる 2.これまでのモデルと比べると着丈が長くな り、ファッション要素がより強くなった 3.赤タブは本体ではなくフラップに付けられるよ うに 4.裾部分のV字の切れ込みはサードと比較すると浅く、最下部が幅広になっている 1 2 3 4 通称ファーストと呼ばれる、 デニムジャケットの始まりの 形。フロントには左身頃にポ ケットがひとつ、そして動き やすさを考慮してアクション プリーツがある。第二次世界 大戦時には物資統制の影響で フラップがなくなるなど、細 かなディテールの変化がある 506XX 1928年頃~1952年 通称セカンドと呼ばれる、 506XXの後継モデル。ポケ ットが2つとなり、当時のト レンドだったオープンカラー 仕様に。初期は片面タブで、 翌年頃から両面タブに変更。 レザーパッチは1957年頃に 紙へと変更されるため、この 組み合わせで年代判別が可能 507XX 1952年~1962年 通称サードと呼ばれる、 507XXの後継モデル。1966 年頃にXX表記が省略され、 それ以降は[557]となる。両 胸から裾にかけて斜めにステ ッチが走る意匠が大きな特徴。 ファッションウエアとして提 案されていたため、デザイン が大きく変更となった 557XX 1962年~1966年 通称フォースと呼ばれる 557XXの後継モデル。見た 目はとんど変わらないが、サ ードと比べて身幅が狭く着丈 はやや長くなる。製造期間が 長いため、同じ品番でもビッ グEのものからアメリカ製以 外のモデルまで存在するので、 注意深く確認が必要だ 70505 1966年~ いま止がま最ら後なのい狙価い格時 高。騰で、 古着 店 の 超 王 道 ア イ テ ム であ る デ ニ ム ジ ャ ケ ッ ト。 と り わ け リ ー バ イ ス ®の ア イ テ ム は 人 気 が 高い 。 色 落 ちが 美 し い か ら と かデ ザ イ ン が 王 道 だ か ら だ とか 、 人 気 の 理 由 は 様々 だ ろ うが 、 そ れ ぞ れ の 年 代 の 時 代 背景 を 映 し た ィテ ー ル が 分 か り や すい こ と も古 着 好 き の 心 を くす ぐ る 理 由の ひ つ だ ろ う 。 同 じ デザ イ ン に 見 えて も 細 かい 縫 製 仕 様 や 使わ れ て い る部 材 が 異 な っ たり 、 間 違 い探 し を す るよ う な 感 覚 で製 造 年 を 探求 す る 楽 し みす ら あ る 。 古着 屋 ジ ャ ムで も 毎 年 の よう に 取 り 扱 われ て い る のだ が 、 こ こ 数年 の ヴ ィ ンテ ー デ ニム ジ ャ ケ ッ ト の販 売 状 況 を代 表 の 福 嶋 さん に 聞 い た。 「 一 般的 ヴ ィ ンテ ー ジ と 呼ば れ る の は 5 7 X( 通 称 サ ード モデ ル ) ま で。 中 で も 506 XX ( 通 称フ ァ ー ス ト) と 50 7 XX ( 通 称 セカ ン ド 特に 人 気 で す が、 20 17年 頃ま で は コ ンデ ィ シ ョ ンや サ イ ズ によ っ て 比較 的 手 に 届 き やす い 価 格 で販 売 で き て いま し た 。 しか し こ こ 数年 で 価 格 が 一 気に 急 騰 し 、古 着 好 き 以外 か ら も 注 目 され る ア イ テム に な っ て いま す 。 こ れら の テム は 今 後 も 価 格が 下 る 要因 が 無 く 、い ま が 最 後 の買 い 時 か もし れ ま せ ん 」

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